-
建物を支える骨組みをつくる仕事
「鉄筋」とは、建物や橋梁(橋)などのコンクリートで覆われた施設の骨組みのことです。
人間においての骨と同じく、建物の外からは見えませんが、なくてはならないとても大切な部分です。
建物の骨組みをつくるのが鉄筋工事の仕事です。
鉄筋工事を行う職人は鉄筋工と呼ばれています。
では、鉄筋工事についてもう少し詳しくみていきましょう。
建物を支える骨組みをつくる仕事
「鉄筋」とは、建物や橋梁(橋)などのコンクリートで覆われた施設の骨組みのことです。
人間においての骨と同じく、建物の外からは見えませんが、なくてはならないとても大切な部分です。
建物の骨組みをつくるのが鉄筋工事の仕事です。
鉄筋工事を行う職人は鉄筋工と呼ばれています。
では、鉄筋工事についてもう少し詳しくみていきましょう。
そもそも一つの建物が完成するにはどのような流れがあり、どんな人達が関わっているのか知っていますか?
まずは建物が完成するまでの流れを確認してから鉄筋工事の役割を知りましょう。
重機を使い地面をならして固め、杭を打ったりコンクリートを流し込んだりして建物の基礎部分を作ります。重機オペレーターの腕の見せ所といえます。また、「現場の華」とも呼ばれるとび職が活躍し、足場や鉄骨を組んでいきます。
コンクリート基礎の内側には必ず鉄筋が使用されます。鉄筋工の大切な仕事のひとつです。
この作業を怠ると、建物が傾いたり地震によって崩壊したりするおそれがあるため、しっかりと固める必要があります。
建物の主な部分を作ります(躯体工事と言われています)。
鉄筋工が最も活躍するのはこの工程です。鉄筋などの資機材を設計図通りに組み立てていきます。鉄筋はまさに「骨」であり、全体の強度を高めるためには欠かせません。
鉄筋工の作業が終わると型枠大工にバトンタッチし、型枠を組んでコンクリートを流し込み、建物の大まかな形ができあがります。
建物のさらに細かい部分を仕上げていく工程です。
外壁工事に左官、塗装、内装、電気工事や水道・ガスの設備工事など、多くの業種が活躍します。
建物の外見的なイメージや住心地、使い勝手などを左右する仕事といえます。
すべての作業が終われば建物は完成です。
紹介した業種以外にも多数の業種が関わって建物が作られています。
もちろん、全体のサポートを行う現場監督や監理技術者も重要な存在です。
●建物を支える骨組みの役割
●建物の強度を上げるための役割
鉄筋は建物の構造上とても重要な部材ですが、コンクリートを流し込んでしまえば建築物を解体するまで人の目に見えることはありません。
そのためコンクリートを流し込む前に厳しい検査を行います。
そこで指摘があれば速やかに是正しなければならないため、いかに指摘の無い組立を行うかが重要になります。
そのため頭も体もフル回転して組み立てなければなりませんが、鉄筋が組みあがった様子は恐竜の化石(骨)のような迫力があり、芸術品ともいえます。
組み立ての様子
組み立ての様子
組み立ての様子
組み立ての様子
鉄筋工事の役割について分かったところで、次は鉄筋工事の仕事です。
鉄筋コンクリート造の建物の鉄筋工事の様子を
実際の工事の進行とともに見ていきましょう。
現場にて鉄筋工事が始まって1か月ほど。
すでに建物の基礎部分が終わり、これからは地上部分の工事です。この日は建物1階床の鉄筋を組んでいます。
加工場より運ばれた鉄筋を施工図をもとに組み立てていきます。鉄筋の種類に合わせて組み立てる順序があるので難しいところです。経験のあるスタッフがリードしながら作りあげていきます。
「ハッカー」と呼ばれる工具と結束線を使って鉄筋を縛る作業を「結束」といいます。しっかりと結束することによって、骨組みの強度が増します。スピードと質ともに優れた結束を行えるかどうかがスタッフの技量の指標になります。
鉄筋を組み立てる途中で鉄筋をつなげる作業を「嵌合(かんごう)」といい、機械式継手など様々な手法があります。建物の強度を左右する大切な工程です。
根気の要る地道な作業。その積み重ねが建物になります。
鉄筋はどんな建物にも必ず使われています。鉄筋コンクリート造以外の建物にも使われています。
ここでは鉄骨造の建物の工事の様子を、鉄筋以外の工種の皆さんの動きも交えて見ていきましょう。
2021年3月15日。弊社加工センターから現場に運ばれたばかりの鉄筋。切って曲げるだけでなく、すぐに組立できるようにある程度のところまで組まれた状態で運ばれてきます。
この日は建物の基礎の鉄筋を組みます。前日に基礎の大枠は組み終わっており、そこにさらに鉄筋を組み合わせます。取り付ける位置まで一つずつ運びます。こう見えて結構重いです。
鉄筋を図面通りに配置できるよう、弊社スタッフがきっちり間隔を測りながら正確に組み立てます。
作業が終わると、弊社職長が厳しくチェックします。
この鉄筋がこれから長きにわたり建物を支えていく、大事な骨組みです。
ここまでで弊社の建物の基礎配筋が完了です。
この後しばらく弊社の出番はないのですが、どんなふうに建物ができていくのか、少しだけ続きを見ていきましょう。
数日後、型枠屋さんが、鉄筋を取り囲むように型枠を設置しました。
型枠の中にコンクリートを流し入れます。
すっかり型枠の中はコンクリートで満ちました。コンクリートが固まるまで、数日待ちます。
型枠屋さんが型枠を外すと・・・しっかりコンクリートが固まっています!
出来立てのコンクリートの表面はつい触りたくなる滑らかさ!
鉄筋コンクリートでできた枠の中を土で満たし、高さが均等になるように正確に計測しながら表面を均します。床の中を通る配管も、このとき配置します。
鉄骨の強固な柱を立て、梁を組みます。鉄骨を持ち上げるのはクレーンですが、正確な位置に固定するのは手作業です。高所での作業は、見ている方も緊張します。
数日後・・・
すっかり建物らしくなり、足場も組まれました。
急に建物ができたような気になりますが、工事はまだまだこれから。
5月下旬。待ちに待った弊社の出番です。2階床の鉄筋を組みました。
一本一本、弊社スタッフによる根気の要る作業。集中力が問われます。
写真では伝わりませんが、鉄筋結束作業時の手の動き、ものすごく速く正確です!
負荷がかかる部分には、さらに鉄筋を足して頑丈に。図面の指示に忠実に組み立てます。
2日間で、広い2階の床の鉄筋を一気に組みました!組み終わったときの達成感は最高です!!
ここまでで弊社の出番は終わり。完成が楽しみです。
快く撮影させてくださった元請け様、施工業者の皆様、誠にありがとうございました。
一つの建物に多くの工種の多くの職人さんがかかわって、建物ができあがります。
その一員として鉄筋で貢献してくこの仕事を、我々は誇りに思っています。
鉄筋工事の仕事をするために特別な知識や資格は必要ありません。
未経験でも入社後の研修や実際の現場で知識をつけ仕事をすることが可能です。
しかし資格があれば仕事の幅が増えるので、資格取得を目指す職人も多数います。
【持っていると重宝される資格】
・玉掛
・高所作業車
・クレーン
・足場の組立 など
国家資格である技能検定制度の一種で、鉄筋工事に関する技能や知識が一定の基準にあるかどうかを検定する国家試験です。
試験に合格すると「1級/2級鉄筋施工技能士」を名乗れるようになりますが、鉄筋工事をするのに必ず必要な資格ではありません。
しかし現在では、大地震により耐震設計が見直され、鉄筋工事の工法が高度なものが増えています。
そのため経験者が必要な施工を行うための基準として「技能士がいるか?」があります。
技能士の有無によって企業側に依頼される仕事内容が変わってきます。
会社の成長、自身のスキルアップのために試験を受けるのもありです。
鉄筋工事ってどんな仕事をしているの?どんな役割をしているの?
そんな疑問にお答えします。
実際の仕事はどんな感じ?仕事をしている時の1日ってどんな感じ?
働いている先輩を知りたい。
実際の仕事の疑問に先輩が答えます。
働くってどういうこと?社会人になったら何が変わるの?
働く疑問、社会人の疑問に答えます。